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小説『閃光のハサウェイ』をテーマにスタッフトークイベントを実施!

2021年08月20日

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の大ヒットを記念して毎週行われているスタッフトークイベント。

8月19日(木)のイベントには、キャラクターデザイン原案の美樹本晴彦、メカニカルデザイン原案の森木靖泰、当時の編集担当で現KADOKAWAエグゼクティブ・フェローの井上伸一郎、そして司会を務める本作のプロデューサー小形尚弘が登壇。当時の富野監督の様子や、誕生のきっかけについて語られました。

以下レポート↓↓

  まずは映画『閃光のハサウェイ』を観た感想をそれぞれ聞かれ美樹本は「30年ほど前の話になりますが、とても素晴らしいものに出来上がっていて、原案ということで今回クレジットに載せていただきまして、本当に嬉しいなと思います。とにかくクオリティが高くて、30年前ですと、ギギの描写が正直理解できなくて、それが映画で芝居や表情がついて、こういうキャラクターだったんだと、よくわかりました。また専門外ですが、メカシーンが本当に気持ちよくて、また改めて見返したいですね。」と感想を述べた。森木は「デザインした時アニメになるということは思っていなかったので、よくここまで動かしてくれたなと、申し訳ないと思ってました(笑)。」と感想を述べた。井上は「編集担当として本当にアニメになってこんなに嬉しいことはないです。MS戦が一つ次元を超えたなと。あと本当に画面がおしゃれ。料理が美味しそうで生活の細かいところもすごいなと思いました。」と絶賛した。また、実は本作の料理シーンの作画は、森木に手伝っていただいたことも明かされた。

 続いて、1989年に角川スニーカー文庫より発売された小説『閃光のハサウェイ』の話に。当 時の担当編集だった井上は「『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』が出来た当時、ガンダムがこれで最後なんじゃないかと噂されていたんです。ハサウェイは13歳ですごい経験をしていたので、この後どうなるんだろうと思っていて、富野(由悠季)さんに『逆襲のシャア』の後のハサウェイを書いてくださいと頼んだところ、引き受けてくれたという感じです。また、富野さんもブライト・ノア一家が気になっていたということで、それを描きたいと思っていたんでしょうね。で、このお話とピッタリ合ったのでラッキーでした。また、ギギ・アンダルシアというキャラがとても手応えがあったんだなと、思いました。とてもしっかりしていたり、子供っぽかったり、でもちゃんと理性があり、感情をコントロールできるところは今までの富野ヒロインにはない珍しいヒロインで、こういうキャラを描きたかったんじゃないかと思います。」と小説の誕生のきっかけを語った。

  美樹本はガンダムの小説版からの流れでオファーが来たそうだが、メカの森木に関しては、今までガンダムを書いていない人に頼もうという井上の判断で旧知の森木にオファーをしたという。オファーをされた時森木は「やっとガンダムができるんだと思いましたね。ただオーダー表が、「ミノフスキー・クラフトで空を飛ぶ」「ファンネル・ミサイルを出す」以上終了、だったのでさてどうしてくれようと思いました(笑)。ただ、30年後に動かすことは考えてなかったんで、自由に楽しく描かせていただきました。」とオーダーの内容がかなり難しかったことを告白した。

 

 また、キャラクターデザイン原案の美樹本は「スニーカー文庫のイラストは、当時安彦(良和)さんがアニメから離れていたので、ピンチヒッターとして描かせていただいたんです。ハサウェイそのものは安彦(良和)さんが書いて北爪(宏幸)さんが成長させて、そこからバトンタッチさせていただいたという感じですね。ギギに関しては、捉えどころがなくて、いまでも捉えられないなと思います。止まっている画だけで作れるキャラじゃないなと映画を見て改めて思いました。」とハサウェイやギギについても語った。

 

 そして、小説のラストについて、井上は「ラストシーンが衝撃かと思うのですが、私は『閃光のガラリア』(聖戦士ダンバイン・第18話)というエピソードを知っていたので、これは悲劇的な物語だろうなと思っていました。ただ予想を上回る物語でしたね。シェイクスピアを彷彿させましたね。」と述べた。美樹本「やはりショックでしたね。最後よりも、エピローグ部分が、一筋縄じゃいかない話だな、読んでいてもぐっと締め付けられるなと思いますね。」と森木「すみません、実はまだ読んでないんです。ここまで来たら、映画を3部まで観てから、小説を読もうと思います。」と、小説の印象を語った。

 

 現在発売されている小説新装版は美樹本がイラストを担当した。久しぶりにハサウェイを書いた美樹本は「書き直させて欲しいなと思っていたので、機会をいただいて嬉しかったですね。デザインをアニメ版に合わさせてくださいと自分からお願いしました。ただ、中巻以降はまだ設定がない状態で描いたので、大変でしたね。」と、感想を述べた。

 

 ここで時間が来てしまい最後の挨拶の時間に。美樹本は「一ファンとして何度でも見返せるアニメーションになっていて、ストーリーを知っている方も知らない方も、心がぎゅっと締め付けられる作品ですので、劇場で3部作見ていただけると嬉しいです。」森木は「私もお客さんとして楽しみたいですね。また料理でも関われたらなと思います(笑)。引き続きよろしくお願いします。」井上は「私も続編、続々編も楽しみたいと思いました。最後、小説と変わるのか? どうなるんだろうと楽しみにしております。」と締めくくり、イベントは幕を閉じた。 

以上

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